南海の島影

2003年の秋、母方の祖父が亡くなりました。
祖父が生涯において最初で最後の歌を作っていたことを、亡くなってから初めて知りました。
祖父は甑島出身だそうで、遠く離れた故郷を想い作ったのがこの曲であるとのことです。
ザラ紙に書かれた歌詞と楽譜が残されていて、形見として戴きました。
これは音に起こせという巡り合わせだと感じ、前奏・伴奏・後奏・間奏を付け加えて作成した次第です。 よって厳密には私の作曲ではありません。
祖父の作詞を公開し、亡くなった祖父に、捧げます。

2003年 製作

南海の島影

  1. 黒潮踊る薩摩灘
    波に浮かぶは甑島
    磯辺にささやく小波は
    遠い昔も今もなお
    流れる時を知らぬげに

  2. 遙かに偲ぶ壇ノ浦
    栄華の夢も花吹雪
    八潮路漂い流れつく
    月澄みわたる島影に
    何を咽ぶか磯千鳥

  3. 雲は流れて南海の
    しぶきにいどむ海つばめ
    五色の旗も誇らしく
    黄金を降らした珊瑚船
    波の瀬侘びし夢の島